ウォーターフロントにふさわしいバルコニーのデザインに関する研究: 東京都江東区の集合住宅を対象として

摘要

これまで、わが国のウォーターフロント（以下WF)には、多くの集合住宅が建設されてきた。これら集合住宅において外装の一部を構成するバルコニ一は、居住空間において唯一外部に接することのできる空間である。このように貴重な空間であるバルコニ一は、都心では得がたい開放的な特性を有するWFにおいて、より積極的に活用されるべきである。さらにWFでは、バルコニーが住民にとって眺望や趣味を楽しむ場であると共に、水辺景観を構成する要因にもなつていることから、隣接する集合住宅や対岸の歩行者など、外部からの視線に考慮する必要がある。そこで本研究では、WFに存在する集合住宅に設置されたバルコニーの現状と、設計者の意図を捉えることでWFにふさわしいバルコニーのデザィンを模索することを目的とする。