国際河川流域における越境水紛争の潜在的なリスク評価

摘要

地球上の全陸地の45%を占める国際河川流域は，上流 国と下流国の間で農業，工業，生活用水をめぐる争い （越境水紛争）の舞台となってきた．特に第二次世界大 戦以降，上流国のダム開発，汚濁水の放流などは，下流 国とのより深刻な対立を引き起こしてきている．それら は流域国同士の話し合いにより解決を向かえる係争がほ とhどであったが，20世紀の間にアフリカと中東にて軍 事的衝突が7件報告されている1)．