RC構造物を対象とした損傷検出のためのモニタリング・システムの提案（3/3)加速度計測によるスマート損傷検出センサの試作

摘要

前報(2/3)では，構造物全体のへルスモニタリングを目的に，振動台実験の加速度データからゼロクロス点数や平均値および標準偏差を求め，それらに基づく損傷検出の可能性を検討した。しかし，標準偏差と最大応答値は確率論的なピークファクターを介して対応するとされている。本報では標準偏差に代えて抽出•計算が容易な最大値と振幅の絶対値和（累積値）を指標にすることの妥当性を検討する。後者はパワーに比例する振幅の自乗値和と対応し，物理的意味が明解である。またこれらの指標を算出するアルゴリズムを組み込hだセンサ（以下，スマート損傷検出センサと呼ぶ）と，それを用いたモニタリング•システムの概要を報告する。