ニューラルネットワーク手法によるアクティブ制振(震)システム構築に関する基礎的研究(その1：地域地震外乱対応型の場合)

摘要

都市部への人口、企業、各種機能の集中により、土地の有効利用の観点から建物の高密度化、高層化が進められている。超高層ビルは、柔構造であるためやや長周期成分を含む地震動や風等の外乱を受けると励振を起こしやすい。また、船酔いのような状態になり居住性にも影響がある。わが国は、世界有数の地震国であり季節風や台風などの影響も大きく受ける地域に位置することから、建物の振動応答の低減が、安全性、居住性の面から要求されている。現在,この振動応答低減の1つの方法として、アクティブ制振(震)構造がある。アクティブ制振(震)を行う場合、建物の経年変化•外乱•モデル化等に伴う不確実性を考慮する必要がある。これらに対応できると考えられるものに、ソフトコンピューティング手法がある。