地震被害分析のための3D-GISによる盛土•切土地盤の区分評価

摘要

住宅地の地震被害で、造成された盛土地盤などのように硬い地盤の一部に軟弱な地盤がある場合、軟弱地盤に地震波が増幅し、大被害になる可能性が指摘されてきた。また、切土•盛土境界付近において被害が多いことも、今までに明らかにされている。2001年3月24日の芸予地震(M6.7)においても、丘陵地に造成された広島巿西区己斐上地区や廿日市市阿品台地区の盛土地盤とされる地域で、広島市内中心部などに比べて木造住宅瓦屋根被害が多く集中する傾向が見られた。盛土·切土の区分、および盛土深さと木造の地震被害との関連を調査することは、地震時の被害予測や防災上の検討を行う上で役立つと思われる。