ルイス?カーンのキーワード連関に基づいた設計支援ツールにおける実務設計者の設計プロセスに関する考察（その2）

摘要

本報により得られた知見を以下に示す。 1) 実務者は学生に比べてアイデアの総数が少ない。 2) 連関グループ数は、実務者の方が学生に比べて多い。 3) 実務者は学生よりも廃棄率が半分以下であった。 4） STAGE01 のIkw には、「諸室名を含hだIkw」（「R-Ikw」） 　が、実務者?学生共に多くみられた。 5）さらに、実務者はIkw に対する、「R-Ikw」の割合及び 　諸室の種類が学生よりも多いことが分かった。 6）STAGE02 において、実務者の方が学生に比べ、「R-Ikw」 　を参照しているFS の割合が多い。 　以上から、実務者の設計思考の特徴は、設計初期段階 において、実務者と学生ともに【諸室】に関する思考を 巡らせているが、実務者はより強く重要視し、設計を行っている点であると考える。さらに、実務者は学生と比して、 設計過程の中でのアイデア検討の無駄（廃棄率）が少なく、 同時並行で複数の案を検討するという、創造的な可能性を 高めながらも効率的な設計思考を行っていることが注目 すべき特徴ではないだろうか。