小学校のオープンスペースを中心とする児童の自由行動特性:小学校のオープンスペースを中心とする児童の自由行動特性その1

摘要

小学校において、児童が自ら居場所や相手を選択して行う自由行動は、人間関係の構築や社会性の取得という点で、学習と同様に重要である。特に普通教室と連続し、家具やコーナーが配置されたオープンスペース（以下、OS）周辺では児童が集合を形成し、多様な遊びや交流が展開されている。そこで本研究では、行動場面の概念を用い、観察された行為や時間、場所を規定要素として整理し、場面抽出を行う。場面ごとに、構成員の属性と人数や形、姿勢から成る集合形態を分類し、各要素の相互関係を捉える。集合形態を通して児童に特徴的な姿勢や家具との関わり方、領域形成をみることで、自由行動の空間的特性を把握することを目的とする。