液状化地盤の地震リスク評価に関する研究:その1．東日本大震災による千葉県浦安市の公共施設の被害状況

摘要

近年，大地震が想定される中で，定量的な地震リスク評価法が提案されている．地震による建物の損失評価を表現する指標の一つとして，予想最大損失(PML)などが挙げられ， PMLにより地震リスクを評価するためには，建物の補修費用について検討しておく必要がある．一方，液状化が生じた際は躯体被害や設備被害にとどまらず建物周辺のアプローチの被害などの被害が予想され，上部構造の補修費用とは別にこれらの被害に対する補修費用が生じる．しかし，現状の地震リスク評価手法では建物の振動被害を対象とした手法が多く，液状化に伴う被害については考慮されていない．