密集市街地整備のための防災性能評価とVR を連動させた整備案検討シミュレーターの試験的開発（その１）

摘要

本研究は，密集市街地整備が遅々として進まない要因の一つである，合意形成過程の課題に着目して，密集市街地の整備計画立案プロセスにおける住民等の関係者相互の合意形成を支援する手法の提案を目標としている。本稿は，その第一歩として，合意形成を図るうえでの課題を明らかにし，密集市街地整備における市街地整備案の立案を支援するツールの試験的開発を目的とする。なお本研究では，まちづくりの現場を，住民と行政，専門家が協働で市街地整備素案（以下，整備素案）を検討し，合意に基づき整備内容をまとめていく場とする。そして，開発する支援ツールとは，地震に強くかつ住民が望むまちのイメージを住民間で共有する事で、住民間の合意形成を図るため、その場で参加住民によって検討された整備素案の防災性能向上の効果を定量的?客観的に評価でき，防災性能評価と連動して整備後の空間イメージを提示する機能を備えた支援ツールである。