シェア居住の実態と評価に関する研究:京町屋?大阪長屋と公私室型住宅の比較を通して その2

摘要

前報に引き続き建物別のシェア居住の実態と評価についての報告を行う。本稿で主にヒアリング調査によって明らかとなった京町屋および大阪長屋のある種ルーズな空間をシェアよっていかに住みこなすかを明らかにする。シェア居住の場（以下SH）として京町屋や大阪長屋を選択した理由で第一に挙げられるのは経済性である。同規模の戸建て住宅に比べて安価で借りられることから、少々古くて不便な面には目を瞑る傾向にある。加えてその古めかしい感じを長所と捉える入居者も見られた。空間的特徴を理由に挙げている例も見受けられる。ある京町屋SHでは店の間の空間を魅力的だと考え入居を決めたという入居者がいた（図1）。