静岡県御前崎市における屋敷森を有する住居?集落の微気候に関する研究

摘要

住居?集落では環境調節を行うために、その土地の気候風土に応じて様々な工夫が行われてきた。静岡県御前崎市(図１)では冬季に卓越した西の風が吹き、この風に乗って大量の砂が飛来する。この地域ではイヌマキを用いた防風垣と屋敷森(写真)を敷地に配することで、家屋の農作物を強風と砂から守ってきた。「マキ囲い」と呼ばれる防風垣と広葉樹による屋敷森が、この地域の特徴的な気候景観を形成している。栗林は牧の原一帯において、屋敷森の平面的な特徴について報告しており，これを踏まえて集落の気候景観ついても既に研究され，気候観測による敷地内での防風効果の実証も行われた。本研究は、静岡県御前崎市の佐倉地区を対象として、先行研究の規模を拡大し集落全体で気候観測を行うことにより，この地域における気候と敷地計画との関係をより詳細に明らかにしようとするものである。