大庄屋堀江家の長屋門について和歌山県橋本市中心市街地の町と町家の調査研究　その70

摘要

堀江家は橋本市東家2 丁目5-17 に位置する家で、東 西に伸びる大和街道の北側に屋敷を構えている。堀江家 はこの東家にあって、近世では大庄屋を務め、和歌山藩 の地士に任ぜられていた。地元では一色家、佐藤家とと もに「東家御三家」とも言われている。屋敷は町家型主 屋を建てた街道沿いの他の家々とは異なり、大庄屋の家 らしく間口50 ｍ程の大きな屋敷地に長屋門を構え、主 屋は屋敷内に引き込hで建てている。長屋門は軒まで塗 り込めた、入母屋造本瓦葺の形式で、壁面には出格子窓 や与力窓を並べた格式高いものである。規模の大きな主 屋は長屋門から前庭を隔てて屋敷中央に南面して建ち、 その西側には離れ座敷、北側には土蔵が建てられている。 屋敷は土塀で囲われ、すぐ北にJR 和歌山線が通る。 　本稿では東家の大庄屋、堀江家の建築群のうち、大庄 屋としての家構えが良く表れている長屋門に注目し、特 徴や復原について考察したい。