ステンレス鋼を用いた十字すみ肉溶接継手の疲労強度に関する研究その２．荷重非伝達型すみ肉溶接継手の検討

摘要

（１）荷重非伝達型の200万回疲労強度：「腐食なし」の疲労強 度は約101MPa に対し、「腐食あり」では約67MPa と1.5 倍低い 値を示した。その為、「腐食なし」の疲労強度値は現行のJSSC 基準/D 等級、「腐食あり」の疲労強度値は現行のJSSC 基準/F 等級に相当する耐力である事がわかった。しかし、S-N線図の 勾配がm=4を示した事から、各々の等級の勾配に関しては、両 者とも短寿命側を示す事が明らかとなった。 （２）（1）の結果から、「腐食あり」の疲労強度の低下の原因と して、溶接熱影響部近傍に応力腐食割れが発生し、疲労試験前 に、副き裂が存在していた事に起因する。 （３）環境中の塩素イオンによりweld decay部近傍の不働態皮 膜が働かなくなる事が推測できる。