コンクリート表面の色むらに関する官能評価と画像解析による定量的評価の関係に及ぼす視野角の影響

摘要

コンクリートの素地を仕上げ面として用いる打放しコンクリートは，躯体としての品質は無論のこと，仕上げ材料としての視覚的な仕上がり状態が重要である。コンクリート表面の仕上がり状態を規定する視覚的な要素である色調，色むらおよびテクスチャーに関して，調合および施工要因による影響についての報告例はあるが，これらの要素を完全に制御することは未だに極めて困難である。一方で，JASS 5では，仕上がり状態に関する記述はあるものの，定性的な表現に留まり，視覚的な仕上がり状態に関しての評価指標および定量的な評価方法は明示されていないのが実状である。そのため，ユーザ，施工監理者および施工管理者の間で仕上がり状態に関する認識に相違が生じる可能性がある。これは，例えばPCa製品において視覚的な仕上がり状態がクレームの最上位を占めていることからも裏付けできる。