サンプルサイズを考慮した高次モーメント信頼性評価手法の提案その3　提案手法の精度改善に関する考察

摘要

高次モーメント法は確率密度関数を用いず確率変数の モーメント情報だけで破壊確率を評価する手法であり、限 られた数のデータからでも非正規性まで含めて容易に破壊 確率を評価できる1), 2)。しかし、高次の確率モーメント は観測データのサンプルサイズに大きく依存するため、 解析精度はサンプルサイズとの関係で議論される必要が ある。このような観点から、サンプルサイズを考慮した 高次モーメント信頼性評価手法をの１およびその２で提 案した3) 。この手法は、2 次モーメント法と高次モーメ ント信頼性評価の精度が切り替わるサンプルサイズN0 を求め、このサンプルサイズを境界として精度の高い手 法に重みをつける手法である。しかし、確率変数の変動 係数や、限界状態関数の中央安全率がN0 に与える影響 は考慮されておらず、高い精度で破壊確率が算出できる 適用範囲が明確にされていない。