多様な解の獲得を考慮したGA系解法によるラチスシェルの構造形態創生

摘要

大空間構造の力学的合理性は形態に依存する。そのため、意匠性と力学的合理性が密接に関係する。設計ではそれらの両立が求められる。設計の初期段階で、力学的合理性を持つ形態を決定することが可能な構造形態創生法が近年注目されている。構造形態創生法により多種多様な形態を意匠設計者に提示することは、力学的合理性と意匠的要求を同時に満たす構造の発想支援につながると考えられ、従来の設計方法では成しえなかった形態が実現できる可能性を有する。著者等は、許容解の内、大域的最適解を含む局所最適解及びそれらの近傍にある比較的評価の高い解(優良解)の積極的な利用に主眼を置く遺伝的アルゴリズム系解法ISGA(GA with immune system)1)を既に提案している。このISGAは、設計変数と目的関数の両空間における複数の多様な解を得ることができる。本報告では、ISGAをラチスシェルの単一目的最適化問題の構造形態創生に適用し、得られる解の多様性と力学的合理性について検討する。