斜面崩壊予測のための航空レーザによる森林構造の把握について

摘要

花崗岩の分布地域では、豪雨に伴って斜面崩壊や土石流などの土砂災害が多く発生し深刻な被害が生じている。過去の崩壊地での調査によって、斜面崩壊の多くは浅い崩壊であることがわかっている。また、樹木の根系の崩壊抵抗力として、主に杭効果と土壌緊縛力が検討されている。樹木の根系伸長深度は一般的に1?3 m程度であるため、斜面表層を構成する土壌及び風化層と、樹木の根系が表層崩壊に大きく影響していると考えられている。しかし、根系発達については樹木の根を掘り出す必要があるためデータが少なく、花崗岩の風化と組み合わせた研究は限られている。