三次元点群データを用いた全波形ライダーデータの再現に関する研究

摘要

森林バイオマスの全球観測はSARや光学センサにより行われてきたが，これらの結果に高さ情報を加えることで精度の向上が期待できる.そこで，JAXAはISSきぼう曝露部搭載植生ライダーMOLIを2021年度に打ち上げる計画をしている.MOLIデータにより樹高などを抽出するには，物理量を元に全波形LiDARデータを再現するモデルが必要である.しかし，既存のモデルでは実際の森林構造を考慮することは困難である.本研究ではGLAS全波形LiDARデータを再現することを目的として，再現モデルの入力値として有用な森林の構造情報を検討する.具体的には，北海道苫小牧市の針広混合林を対象とし，ICESat/GLASの観測地点と同一地点を観測した航空機搭載LiDAR点群データから森林の反射強度分布を作成する.これをGLAS全波形データや現地における毎木観測データと比較し考察を述べる.