ロックフィジックスをベースにした物理探査データの解釈技術の研究（その３）: 亀裂性岩盤の岩石モデル解析

摘要

亀裂性岩盤の岩石モデルの研究を目的に，検層と室内試験で得られた弾性波速度を用いて，均質な岩石中 に亀裂等の不均質（インクルージョン）を含む岩石のモデル化に広く利用されているKuster-Toksozモデル （K-Tモデル）の適用性を評価した．本研究では，このモデルを花崗岩中で実施された音波検層と密度検 層データに適用し，花崗岩中の亀裂形状の推定を試み，ボアホールテレビューアーやコア観察から得られ た亀裂の分布や形状とよく一致する結果を得た．また，このモデルを用いることによって，従来からよく 知られているトンネル掘削時のゆるみによると推定される弾性波速度の低下を定量的に説明できることを 示した．