PA メッシュを挿入したCFRP 構造の損傷挙動

摘要

軽量かつ高強度，高剛性という優れた機械的特性を有する炭素繊維強化プラスチック（CFRP）は航空宇宙分野での利用が拡大している．現在では，B787 の例に見られるように，構造の大部分が複合材料で形成されるようになっている．したがって，複合材料構造の修理に関して今後ますます重要性が増加してくると考えられる．さらに，ヘリコプターの翼のように厚さが変化するテーパ構造についても強度向上のため最適な積層構成に関する研究は存在するが，破断の主な要因である樹脂リッチ部が起点となる層間はく離を抑制する研究はあまりされてない．そこで本研究では，先行研究からCFRP の層間を高靭性化する効果があるPA（ポリアミド）メッシュをスカーフ補修の補修面やテーパ構造の内部の切断層と他層の層間に挿入し，これによる損傷挙動の変化を評価した．