ソーシャルビッグデータ流通基盤による都市情報収集・流通実験

摘要

本発表では我々が構築してきたソーシャルビッグデータ流通基盤および，同基盤を用いこれまで藤沢市を中心として行ってきた都市情報収集・流通実験に関して説明を行う．動的に変化する都市状況に対応し，住民の安心安全やQoL を高め，効率的な都市運営を可能とするスマートシティでは，社会的に価値のあるセンサデータを膨大に収集し，必要とするサービスにオンタイムで届ける必要がある．我々はソーシャルビッグデータ流通基盤として，XMPP プロトコルを拡張したSensor-Over-XMPP にもとづきセンサデータを流通可能とするSOXFire を構築，運用してきた．XMPP を拡張することにより，SOXFire は膨大なセンサデータを，プライバシを考慮したアクセスコントロールを行いながらスケーラブルに伝達可能なシステムとして設計された．我々は同基盤を用い，藤沢市の行政業務中に得られる様々な情報を効率よくかつ職員の負担なしで収集・流通する実験を２年以上に渡り行っている．本発表ではその概要を述べるとともに，同基盤とこれまでの実験に基づいたスマートシティの構築モデルに関して説明する．