周波数変動抑制を目的とした多数台蓄電池制御における容量劣化度均一化手法

摘要

近年の再生可能エネルギー電源増加への対策として、需要家側の電気自動車や定置型の蓄電池を用いた周波数安定化手法が検討されている。需要家側の蓄電池を使う際に重要な点の一つは需要家間の公平性を維持することである。本稿では、蓄電池間で充電状態(SOC)の挙動を一致させることで充電可能電力量(MWh 容量)の劣化度を均一化して、公平性を保ちつつ、周波数変動を抑制する蓄電池制御手法を提案する(1)。本手法の特徴は、蓄電池間でインバータ容量（MW 容量）、MWh 容量が異なる場合でもSOC を同期させることができる点にある。時間領域シミュレーションを用いた検討の結果、提案手法を用いることで周波数変動抑制能力を劣化させることなくSOC 同期を維持できることが分かった。