携帯型遠隔操作アンドロイドを用いた振動子による誘導システム

摘要

遠隔地の話し相手に自身の存在感を伝える目的で, 図1 に示す携帯型遠隔操作アンドロイド「エルフォイド」が開発されている. 今後, エルフォイドは現行の携帯電話のアプリケーションの多くが搭載され, その1 つとして道案内システムが搭載されると考えられる. 現行の携帯電話による道案内システムは, 映像による道案内に音声を加えることで, 迷いやすい場所に対応している.しかし, 映像による道案内は端末を注視してしまうために, 人にぶつかったり, 段差につまずいたりなどの危険性がある. さらに音声による道案内では騒音に弱く, 道案内が円滑に行えるかは周りの環境に依存してしまう.そのため, 現行の携帯電話の道案内システムをそのままエルフォイドに搭載した場合には, 同様の問題が生じると考えられる. つまり, 映像や音声(視覚や聴覚) に依存しない誘導システムが必要となる. そこで本研究では五感の中でも触覚に注目し, さらに触覚を与えるデバイスの中でも比較的身近で使用される振動子を用いる. 従来研究として振動子をベルトに装着したActive Belt[1]があるが, 道案内時にのみ, そのベルトを装着することは煩わしい. そこで本研究では携帯電話のように日常的に持ち運ぶエルフォイドを用いた振動子による誘導システムを提案する.