表面粗さ構造に対する微小管運動特性の評価

摘要

生体内のタンパク質や細胞には，コンピュータや機械 では真似できない微小な働きによって，柔軟で巧妙な能 力を発揮するものがある。例として，生体内の物質輸送に 働くナノスケールのタンパク質が挙げられる。モータタ ンパク質と呼ばれるタンパク質には，筋収縮に働くミオrnシンやアデノシン三リン酸（ATP)の合成を行うFqFi-ATPaseなどがあり（1'2)，キネシンと呼ばれるタンパク質 は，ATPの加水分解で得られる化学的エネルギーを運動 エネルギーに変換し，細胞骨格である微小管上を歩くよ うに移動することで，細胞分裂時の紡錘体の形成や細胞 内の小胞輸送などを担っている。