多周波ステップCPC レーダを用いた目標車両位置・速度ベクトル推定法の検討

摘要

筆者らは，高分解能な距離と速度の２次元情報（RV マップ)が得られる多周波ステップCPC レーダ[1]を開発している．当レーダを車載レーダへ応用することを想定し、目標車両のRV マップ（1CPI(Coherent Pulse Interval＝0.03sec)程度の観測時間にて得られる軸線距離、軸線速度の２次元マップ）から，目標のX，Y 座標およびVx，Vy速度ベクトルの推定法について検討している．本稿では，実験で観測されたRV マップ（実験データRV マップ）とモデルとの相関により、上記目標位置・速度ベクトルを推定する手法について述べる。モデルは，①車の幾何学的関係から導かれるRV データ（ジオメトリRV マップと呼ぶ）および②多周波ステップCPC シミュレータ出力によるRV データ（多周波ステップCPC 出力RVマップ）という２つのモデル化手法を構築した．実験データを用いた評価により，1CPI 観測データから目標車両の位置・速度ベクトルを推定できる可能性が十分期待できることを示す．