音響フィルタリングによる水道配管の漏水検知技術の開発

摘要

水道配管の耐用年数は 40年程度と言われており，1970年代に作られたものが一斉に更新時期を迎えている．都市部ではインフラ設備の更新が進められているが，過疎化が進む地方自治体では予算不足により更新費用が捻出できないケースが多い．そのため水漏れが発生している配管を優先して交換することが一般的である．漏水を放置すると地盤の軟弱化による路面陥没など重大な事故につながる恐れがあり，漏水箇所を迅速に発見し補修する必要がある．漏水を検知する方法を挙げると，管路上の2点間にセンサを配置し管表面を伝搬する振動の相互関係から漏水位置を特定する相関法や，管路内にガスを注入し漏洩したガスを地上で検出することで漏水箇所を発見するトレーサーガス工法など様々な方法が存在するが，最終的には人間の聴感評価により判定している．