積雪寒冷地に建設された塩害劣化RC 床版の電気化学的補修工法の適用性

摘要

積雪寒冷地に建設されたRC 床版では，凍結防止剤に起因した塩害や塩害とASR の複合劣化が報告されている．本研究では，静的破砕剤を用いて試験体の上下面に強制的に貫通ひび割れを発生させて実構造物の塩害劣化を模擬した試験体およびASR による膨張ひび割れを発生させた複合劣化試験体を用いて，外部電源方式および流電陽極方式による電気化学的補修工法の適用性を検討した．通電から約1 年までの結果から，提案する流電陽極方式は100mV の復極量を確保できる時期とできていない時期があるものの，外部電源方式に比べて上筋と下筋の復極量の差は小さく，RC 床版のような上筋の腐食に対しては外部電源方式に比べて効率的に補修ができるものと推定された．