両面レーザアシスト着磁による多極リング磁石を用いた高トルクマイクロフラットモータ

摘要

電磁モータは，静電や圧電と比べ，低電圧駆動が可能なため，昇圧回路なしでバッテリー駆動できるなど，モバイノレ機器用モータとして優れた利点がある.しかし，現在までに，永久磁石を用いた厚みがサブミリスケーノレのフラットモータの研究例は少ない.また，数少ない報告例[1]では，微小化の影響を考慮しても，トルクは低い.原因として，永久磁石の磁気特性を生かすような微細加工法，微細着磁法が未検討であることが挙げられる.扁平形状の磁石は，厚み方向に一様に着磁した場合，材料固有の磁気特性が高くても，反磁界の影響で高い磁束密度を発生することは困難である.前述のモータは，12極に着磁された磁石を使用しているために低トルクになっている.よって，高トルク化のためには更なる多極化が必要である.多極化に利用可能なレーザ加熱による永久磁石の保磁力低下を利用し，比較的小さな外部磁場で局所着磁を実現する研究がなされている[2].従来の研究[3]では，レーザ加熱時に，着磁幅を優先し熱が面内方向に広がることを避けたため，深さ方向の加熱が不十分となり，その結果，十分な表面磁束密度を得ることができていなかった.