直交異方性圧縮コイルばね中の半楕円形表面き裂の応力拡大係数

摘要

コイルばねは，引抜加工による強加工を施した高強度材料で作られ，き裂発生が破壊に直結することが多いため，介在物等からのき裂発生が重要とされている(1)．実際，事故事例等でコイルばね中に観察されるき裂のフラクトグラフィ(2)から，進展領域の小さいき裂が発見される場合が多い．しかし，その際の議論は，丸棒のねじり等，単純なモデルによる類推が多く見られ，半定量的半定性的な議論にとどまっているのが現状と思われる．