建物と地盤の動的相互作用による地震荷重低減効果に関する研究その2 東北地方太平洋沖地震における調査結果と観測記録を用いた実効入力に関する考察

摘要

その1 に示した設計式を用いて東北地方太平洋沖地震における観測記録と建物・地盤の諸元から、実際に建物に作用したと推定される地震荷重を評価し、実効入力に関する考察を行った。その結果、動的相互作用を考慮した場合には弾性応答であるSa よりも応答加速度が低減される形となるが、動的相互作用の効果のみを考慮すると被害調査結果を十分説明するまでには至っていない。本論文においては建物の余力や地震動の方向性、履歴減衰の影響、評価法のばらつきは考慮していないため、結果の総合的判断においてはさらなる検証が必要である。またその1 に示した考え方を適用した事例として東北地方太平洋沖地震の仙台地域の被害情報をもとに検証を行ったが、ごく限定的な範囲の検証であるため、被害の大きかった事例についても同様の検証を行い、分析を進める必要があると考えられる。