東京近郊都市の商店街の活性化ビジョンとコミュニティの変化

摘要

本稿では東京近郊の商店街の活性化ビジョンとコミュニティの変化について実感と実態から論じた。ここから分かったこととして、まずビジョンは現在まで様々に示されながら、全体としては実現してこなかったということがある。一方で、商店街の個々の用途とコミュニティは刻々と変化していった。商店街自体の変化については、要望としての実感（生鮮品販売の充実）はあれど、実態としての変化（飲食店とマンションの増加）は結局のところ、需要が形成したものであるとも言える。供給者側からの視点で言えば、供給者側にもコミュニティの変化に伴う担い手の変化が現れていることにある。人口が当分は流入し続ける東京近郊において、商店街はコミュニティの変化を需要側と供給側の両面から受け止める場となっており、活性化のための方策はそれらの実感と実態の両面を考慮する必要がある。