カンを持つ農村住居の住居形態と世代移行について中国東北部のカンを持つ農村住居の持続性に関する研究（２）

摘要

南カン型の住居と北カン型の住居では、それぞれ住居形態が異なる為にカンのある居室の使い方が異なっている。また、多世代で同居する際に次世代は、親世代の干渉を受けない私的領域を確保しようとする住要求が強いことがわかった。その住要求を満たすため、次世代は所有するカンを使い分けることができるように、南カン型では親世代の炊事行為から分離させ、北カン型では行為の移行先としてカン前に庁を設けることで対応している。このように、それぞれの住居形態によってカンの使い方は異なっており、親世代の生活から独立した次世代の生活を尊重させるためには、その住居形態や住まい方に合わせて住居の世代移行を完了させる必要がある。