みなとみらい21 中央地区におけるチョウ類生息環境と暑熱環境との関連性

摘要

市街地における緑地環境は、生物の生息空間としての機能とあわせて、多様な生態系サービスの供給源としても重要である。とりわけ、街路樹や公園・空地等の緑地が持つ都市環境の調整・緩和機能として、ヒートアイランド効果の軽減がある。都市において、生物の側面からの生態系ネットワークと人にとっての暑熱環境の改善を両立するためには、それぞれの視点からの緑地環境の効果予測に加え、生物と暑熱環境の関係性についても把握し、人にも生態系にも熱的影響の少ない外部空間を形成していくことが必要である。これまで、緑地の配置効果について、生態系ネットワークと放射熱環境の両面からシミュレーションによる予測を行うシステムに関する研究1)2)はあるが、実際の都市街区において、生物の生息と暑熱環境の関係性について検証を試みた研究はまだない。