「 高齢者の雇用・労働 」とその社会的意義についての考察 生涯現役社会の構築に向けて

摘要

今は，企業の側からの人材確保の要請もあり，また高齢者の側からも雇用が求められている状況にある。考えてみると，もともと中小・零細企業にあって，人は定年制など関係なく働くことのできる間は働き続けてきた。生涯現役社会は，時代を超えて，社会の裾野や人間の生きざまのなかに脈々と続いてきているのである。高齢者の雇用は，今の時代が求めている社会的な要請であり，企業にとっての社会的責任としても浮上してきている。大企業セクターが主導して，早い段階で高齢者をも戦力とするエイジレスな企業へと衣替えを進め，生涯現役社会への道を切り拓いていくことが求められる。高齢者の側も「 働く 」ことの意義を考え直し，それぞれの「 意識改革 」をする必要もある。行政・学校や企業が連携し，地域をあげて生涯現役社会をデザインしていかなければならない。