多機能トイレの利用者拡大からみた男女共用トイレに対する利用者意識: 公共トイレの男女共用化の可能性に関する研究 その2

摘要

分析の結果、以下の点が明らかになった。①　「LGBT が利用可能なトイレ」を示すピクトグラムの認知度は、年代に関わらず低い。②　LGBT に配慮したトイレ環境の必要性は、年代に関わらず認識されている。支持する配慮方法は、既存のトイレとは別に誰でも利用可能な「共用利用ゾーン」の設置と、「多機能トイレ」の利用に二分化している。③　要異性介助者に配慮したトイレ環境の必要性についても、年代に関わらず認識されている。支持する配慮方法は、既存のトイレおよび多機能トイレとは別の「共用利用ゾーン」の設置と、「多機能トイレ」の増設に二分化している。④　65 歳以上の中には、LGBT への配慮として男女共用化には反対であるが、要異性介助者への配慮としては男女共用化に賛成する人がいる。⑤　海外の共用トイレのイメージから好印象に起因する「心理的な質」「衛生面の質」「空間的な質」の3 因子について、若い世代ほど好印象を持っている。