大谷石を用いた現代建築作品における意匠表現に関する研究栃木県宇都宮市を中心とする大谷石建造物に関する研究(11)

摘要

栃木県宇都宮市で産出される大谷石は、フランク・ロイド・ライト設計の「旧帝国ホテル」(1923 年竣工) に用いられたことで広く知られ、現代では建物内外の様々な部位に使用されている。大谷石を用いた建築作品では、大谷石の表情を活かすだけでなく、大谷石と他素材の対比や、内外で連続した使用などの表現がみられ、素材と空間の関係による意匠表現が成立していると考えられる。そこで本研究では、大谷石を使用した現代建築作品注1) の意匠表現を明らかにすることを目的とする。