大谷石を用いた現代建築作品の設計論に関する研究栃木県宇都宫巿を中心とする大谷石建造物に関する研究（12)

摘要

栃木県宇都宮市で産出される大谷石は、独特な 質感や優れた加工性から、壁面への張石や造形的な装飾 などの様々な建築表現に用いられてきた重要な素材であ る。大谷石を用いた建築作品の設計論においては、そう した建築表現とともに、大谷石に関する認識が、都市環 境との関わりや造形の方法といった主題と結び付けて論 じられており、素材と主題を関連付ける思考を読み取るこ とができる。そこで本研究では、現代建築作品の設計論8 "において、大谷石がどのように語られているかを検討す ることで、大谷石に関する認識とともに、素材と主題を関 連付ける建築家の思考の枠組みの一端を明らかにするこ とを目的とする。