投資用不動産の建築的要件と収益及び費用に関する研究

摘要

重回帰分析を行うことで、建築的要件が収益、費用に与えている影響度を確認することができた。収益については、エリアの影響が大きく、相対的に建築的要件の影響が少ない結果となった。費用については、エリアよりも延床面積の影響が大きくなった。その他の建築的要件についてはコアパターンもある一定の影響を与えていることが確認できた。数量化Ⅰ類の重回帰分析を行なったことのメリットの一つとして、関係式によって収益、費用の推計モデルが作成できた。推計モデルを活用することによって、オフィスのオーナーは、所有しているオフィスの建築的要件から収益と費用が推計できる。今回、5つの変数によって重回帰分析を行なったが、決定係数が低くあまり精度が良くなかった。オフィスの収益と費用の影響因子は複雑であり、多面的な視点から分析を行う必要がある。