眺望対象建造物を中心とした眺望景観の実態に関する研究:都内における重要建造物を対象として

摘要

本研究において眺望対象建造物を中心とした眺望景観について次の実態が明らかになった。現地調査より眺望対象建造物の、後方の高層ビルが阻害要素となっていることが多かった。また、眺望地点から対象建造物まで距離があると、対象建造物の細部まで捉えることができず、前方にも阻害要素を多く含んでしまうことが明らかになった。さらに、眺望地点が横断歩道上や中央分離帯にあり、十分に安全を確保できない地点となる場合、対象建造物の整備に加え、眺望地点の安全性の確保も課題であるとわかった。また、優れた眺望景観は、囲われた敷地の中でつくられていることが明らかになった。一方、市街地では、対象建造物の後方は高層建築物の突出、前方は乱雑に配置された樹木や屋外広告物、電柱、電線が阻害要素となっていることが明らかになった。