アウタースキンに多孔板を用いたダブルスキンファサードに関する基礎的研究: (その1)インナースキンに作用する平均風圧係数の把握

摘要

近年、環境問題に関心が高まる中、環境負荷の少ないダブルスキンファサードが注目され、省エネルギー建築の手法として脚光を浴びている。ダブルスキンは、室外側に面するアウタースキン(以下「OS」と称す)と室内側に面するインナースキン(以下「IS」と称す)及びOSとISの中間層(以下「キャビティ層」と称す)で構成される。OSに設けられる給気開口部と排気開口部により自然換気が行われ、キャビティ層内で吸収された日射熱を換気により外部へ排出することで室内空調負荷の軽減が可能となり、高い遮熱性と断熱性を発揮する。しかし、環境的側面で優れる一方、現行の外装材の耐風設計はシングルスキンを対象としていることから、ダブルスキンファサードの耐風設計において明確な設計手法が未確立であること、キャビティ層内の圧力が推定できず、適切な風荷重の算定が困難であること、等の課題がある。