都市におけるドライミストの普及促進に関する研究:ドライミストによる都市の暑熱環境の改善効果と空調エネルギーの削減効果

摘要

都市域では人工排熱の増加や建物の高密度化などが進み, 夏期の屋外暑熱環境の悪化が深刻な問題となっている。都市の暑熱環境は, 市民への健康被害, 空調エネルギーの増大に影響をもたらしている1)。このような都市高温化に対する改善策の一つとしてドライミストが注目されている2) 3)。しかしながら, 都市域において大規模導入したドライミストシステムの暑熱環境改善及び空調エネルギー削減効果が定量的に評価された例はまだ少ない。また, ドライミストの性能評価手法についてもまだ十分な検討ができているとはいえない。そこで本研究では, 仮想街区を対象にドライミストを大規模導入した場合の暑熱環境改善効果及び空調エネルギー削減量をCFD 解析により定量的に評価した。さらに, ドライミストによる環境負荷低減の性能を評価するために, ドライミスト稼働に伴う二酸化炭素排出量を用いて検討した。