涼房支援のための微気候マップ作成の試み（その１．微気候の調査・分析方法）

摘要

一般市民が簡易に行える微気候調査法の検討を行った結果、下記のことが明らかになった。1)外気温の移動計測にて、30 秒以上停留すれば、定点測定値と計測キットの測定値との差が0.5℃以下になる。2)風速の測定方法では、10 秒間の写真撮影では5 秒以内の間隔であれば、風速値と吹き流し（たこ糸φ1mm、長さ50mm）仰角とは、決定係数が0.78 以上になる。3)1)、2)より移動30 秒かつ停留30 秒であれば、外気温、風向、風速の移動計測が測定誤差の小さい範囲で実現できる。以上のことから、移動計測は富士見町住宅団地周辺地域で、2014 年9 月4 日11 時、15 時、19 時、5 日16 時、13 日11 時、15 時、19 時に行った。計測人数は計測キットによる移動計測を3 人、乗用車による移動計測を2 人（運転手1 人を含む。）の5 人で行った。計測キットを用いた移動計測の手順は各計測地点で停留30 秒の後、移動30 秒の1 セットを繰り返した。停留の間1 秒間隔で10 枚吹き流しの仰角を撮影し、残りの時間で風向を測定した