摂南大学における教職員対象の災害研修プログラムの実施と検証

摘要

摂南大学は収容避難所に指定されていないが，近隣の小学校までの距離があることから，大地震時には，下宿生や近隣住民に生活空間を提供する可能性が高い。しかし，本学は消防訓練以外の災害研修を特に行っていなかった。そこで，2013 年に地震発生を土曜日としたシナリオ案を作成し，本学学生を対象とした避難所運営訓練1)を実施した。ここでは課題として，学内で最も被害が拡大する平日における本学の災害対応が挙げられた。一方，東らは災害研修プログラムとして，A4 サイズのカードを用いた図上訓練手法を開発した2)。この手法は，参加者間の災害対応に関する情報共有に効果が高かったと述べられている。そこで本研究では，摂南大学における平日の地震発生を想定したシナリオ案を作成する。また，摂南大学教職員を対象としてカードを用いる災害研修プログラムを実施し，検証する。