発達障害児の受け入れに関連した放課後児童クラブの音環境の現状

摘要

本報では放課後児童クラブの音環境の現状を調査した。発達障害児の受け入れに際しては、発生音の配慮や声の聞き取りやすさ等、さらなる調査と検討が求められる。放課後児童クラブでは、障害児の受け入れ数が増加しており、発達障害児の中には耳からの外部情報のコントロールが苦手なケースがある。アスペルガー症候群等を有する人に対する調査では、聴覚の過敏・鈍麻について「突然の音にとても弱い」(46.7%)に次いで、「似た発音をよく聞き間違える」(42.7%)ことが挙げられている1)。このような背景から、放課後児童クラブを健常児と音に敏感な児童が共に生活する場ととらえ、児童の嫌がる音や室内音響特性の現状を把握する。なお、放課後児童クラブの開設場所が多岐にわたり、音環境の現状も多様であると考えられるため、本研究では、学校敷地内の専用施設であるログハウス舎、プレハブ舎、及び市街地にある木造民家を利用した建物を調査対象とした。