台湾濁水渓河系における都市形成の特質と沙仔崙の変容 その４1950 年以降の沙仔崙の変容

摘要

本稿では、前稿を受けて、( ⅰ ) 〜( ⅳ ) 型の4 類型について、聞取りを詳細に行うことができた例( E4、W6、E2、W2( 前稿その２、図４参照) ) を紹介し、1950 年代以降の沙仔崙での透天厝開発過程における土地所有と建物の変容過程について述べる。1-2 透天厝開発パターンの決定要因　沙仔崙では、1940-1950 年代の土地の中での空地の位置が、1970 年代以降の土地所有者の透天厝開発の進め方に大きく影響したと考えられる。ここで言う開発の進め方には、三合院に住みながら空地に透天厝を建てる、あるいは、三合院を取り壊して透天厝を建てる、という大きく二つの選択肢がある。以上を踏まえ、各事例において、透天厝開発前に沙崙路側・農地側のどちら寄りに空地があったか、もしくは空地がなかったかということに着目しながら、透天厝開発過程の説明を以下で試みる。