1/10 組立模型を用いた中学生を対象とした建築教育方法の検討:基礎教養における初期建築教育の方法に関する研究 その２

摘要

在来軸組工法の1/10 組立模型を用いて中学生を対象に建築講座を実践し、2014 年に中学生の理解度を把握するためにアンケート調査を行った。以下に得られた知見を示す。１）1/10 組立模型と住宅の関係性の中から学習したことは「住宅の造り」が85％と最も高く、次に「地震に耐える構造」と「部屋の造り」が70％前後であった。一方で、方位・建築環境などの理解が不足していることが明らかになったことから、今後、1/10 組立模型を用いて建築環境工学事項の教育方法を検討する必要があることが分かった。２）尺貫法や住宅構造（柱、梁等）、耐震方法（筋かいを入れる等）について繰り返し1/10 組立模型を組立てることで、1 日目より2 日目に理解度が増加した。３）実際に手を動かし擬似的に建設する過程を経験することを通して、建物を構築していく楽しさ、面白さを感じる割合が高まった。４）開発した1/10 組立模型と建築講座の内容が建築初心者に対する教授法として有効な方法であることが示された。