高齢者施設における介護ボランティア導入に関する意識調査高齢者による介護ボランティアの活用に関する研究（その１）

摘要

日本の高齢者施設の整備は、高齢者の急速な増加に伴うニーズ増に追いついておらず、2014 年の時点で52 万人以上の特別養護老人ホーム待機者を生み出している。国は高齢者の在宅での介護を推奨しているが、高齢者夫婦のみの世帯及び高齢者単独世帯が全世帯数の54.1％（高齢社会白書平成24 年度版）を占めており、家族による介護は困難なことも多いという現状である。一方で、元気な高齢者も増加しており、この高齢者を介護ボランティアとして活用することが考えられ、導入が検討されるべきである。そのようななか、2007 年9 月より、東京都稲城市は他に先駆けて、高齢者がボランティアとして介護支援を行う介護支援ボランティア制度を始めた。本稿では、高齢者施設の管理的立場の人々にインタビューし、介護ボランティア導入について、どのように考えているかを明らかにすることを目的とする。