低ジッタ超伝導光子同時計数器による古典光HOM干渉観測

摘要

ビームスプリッタ(BS)を用いた光干渉計によるホン-オウ-マンデル(HOM)干渉は、光量子情報通信技術における基本要素であるが、近年、高検出効率・低暗計数率・低ジッタ特性を有した超伝導ナノワイヤ単一光子検出器(SSPD)を用いる事により、高い忠実度を有したHOM干渉の観測に成功している。このとき、SSPDからの出力信号は室温に置かれた同時計数モジュールによって信号処理が行われるため、冷凍機内に配された比較的長い同軸ケーブルを介する為に出力信号の劣化が生じてしまい、SSPDが本来有する低ジッタ特性を十分に発揮しきれていないといえる。そこで本研究では、極低温動作かつ低ジッタ特性を有する超伝導単一磁束量子(SFQ)回路とSSPDを組み合わせて低ジッタ超伝導同時計数器を実現し、古典光HOM干渉観測を行ったので報告する。