ポリエチレンイミンを用いた逆構造有機発光ダイオードにおけるモジュラス解析による電子物性評価

摘要

逆構造有機発光ダイオード(inverted organic light-emitting diode : invertedOLED)は陰極の金属酸化物から発光層への電子注入障壁が大きく、電子注入の改善が課題となっていた。poly(ethyleneimine)(PEI)を金属酸化物表面に製膜することで、電子注入障壁が大幅に低減できることが報告されて以来、高効率inverted OLED が作製できるようになった。電子注入障壁低減に加え、我々は、正孔ブロックや金属酸化物界面準位のパッシベーションなどのPEI の機能性を示した。同時に、我々は、インピーダンス分光 (IS)測定により、実際に動作している有機光電デバイスの輸送特性（ドリフト移動度、局在準位分布、二分子再結合定数等）が測定可能であることを示してきた。さらに、複素インピーダンスをモジュラス表示[M(ω)=jωZ(ω)]すれば、有機光電デバイス中の電荷挙動を直感的に理解できることを示した。