力一ボンナノチューブへの内包によるトランスァゾベンゼンとシスァゾベンゼンの安定化

摘要

ァゾベンゼンは紫外光の吸収によりトランス型からシス型に、青色光の吸収あるいは熱により シス型からトランス型へ異性化し、異性化に伴い吸収帯が変化する。ァゾベンゼンを用いた光 記録材料は高密度で高速な書き込みが可能であることから応用が期待され、研究例が報告されている。このような応用にあたって、読み出し光が分子の吸収帯に位置する場合読み出し光に より異性化が起きてしまう可能性があること、シス型が熱により異性化するために時間と共に書 き込んだ情報が破損してしまうことという問題点が存在する。これらの問題の解決を目指し、本 研究ではァゾベンゼンをカーボンナノチューブに内包させた。これにより両者の近接によるπ-π 相互作用などの分子間力が得られ、異性化により高いエネルギーが必要になることが期待される。